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活動報告

実践プログラム群

【HeKKSaGOn・L-INSIGHT プログラム [HLSP]2022】 L-INSIGHTフェロー7名がドイツ11機関の研究者と超領域的テーマについて議論を行いました。(2022年12月2日)

2022年12月2日、第2回 HeKKSaGOn・L-INSIGHT プログラム フォーラム “Seven Dialogues for Future Research and Science with Early Career Researchers” が開催されました。本フォーラム・シリーズでは、L-INSIGHTフェローが未来の研究と科学のために今議論が必要と考える課題について超領域的なテーマを掲げ、ドイツ研究機関の研究者と対話を行っています。第2回は、京都大学、ハイデルベルグ大学、カールスルーエ工科大学 (KIT) 、新たにメンバーに加わったゲッチンゲン大学の4大学による共同開催となりました。また、京都大学欧州拠点の協力を得てドイツ国内全体にネットワークを拡大し、7つのテーマのもとに日独11機関から40名が登壇し、聴講者も含めると32機関からの参加者(登録)が本フォーラムに参集しました。

開会にあたり、HeKKSaGOn (ヘキサゴン: 日独6大学アライアンス) のリエゾンオフィスとしての役割も担う京都大学欧州拠点長 横山美夏教授から歓迎の挨拶があり、続いて、KIT国際部長クラウス・リュンメレ博士から若手研究者の才能を活かすための環境整備の重要性を確認する開会の言葉がありました。

グループに分かれての対話では、飯間麻美助教 (放射線診断学)、磯部昌憲助教 (精神医学)、井上浩輔助教 (疫学、因果推論)、江口佳那特定助教 (医工学)、岡村亮輔助教 (腫瘍外科) 、白石晃將助教 (応用微生物学)、田中智大助教 (水文学) が、それぞれに提示したテーマのセッションにおいて座長を務めました。各セッションでは、3名から7名の複数の学問領域の登壇者が、各々の知見と視点から活発な議論を交わしました。

総合討論では、座長を務めたL-INSIGHTフェローが、異文化・異分野における課題認識の相違や共通点について、あるいは研究成果の社会実装に関する政策決定に若手研究者や市民の関与を促進することの重要性についてなど対話を通じた気づきを紹介しました。

これを受け、コメンテーターからは、超領域的研究の価値を理解し、その取組みを継続するための助言がありました。まず、ハイデルベルグ大学と京都大学に研究室を構える田中求教授は、飯間座長のグループで議論された、物理学・応用数学・情報科学の分野横断的な組み合わせに基づくMRIイメージングの最先端技術に対して、医療におけるブレークスルーとしての大きな期待を寄せました。続いて、統計学の専門家でもあるゲッティンゲン大学経営経済学部長トーマス・クナイプ教授から、データサイエンティフィケーション等を介して協働の具体的方法論を確立することが、異分野の研究者の関係継続に役立つという助言がありました。最後に、自然資源管理に関する地域研究を長年実践している京都大学国際戦略本部長・副学長 河野泰之教授から、現実の世界は学際的であり、異分野間の議論の真髄はそれぞれの学問が持つ固有の論理の理解にこそあるという見方が示されました。

閉会にあたり、国際協力事業に長年携わってきた実績をもつハイデルベルグ大学国際交流課 ニコリーネ・ドーン氏が、本フォーラムの登壇者・聴講者に賛辞を贈るとともに、学問的な越境が習慣の越境も含めて今後も継続することへの期待を述べました。そして、京都大学若手研究者戦略育成拠点長 赤松明彦名誉教授からの関係者への謝辞をもって閉会しました。

本フォーラムの司会は、ハイデルベルグ大学内京都大学欧州拠点Sabine Schenk氏が務めました。

L-INSIGHTは4大学の関係者と引き続き連携を深め、本フォーラムが国際的なプラットフォームとしてより開かれたものとなり、若手研究者の皆様に継続的に活用してもらえるよう努めます。

本フォーラムに登壇したL-INSIGHTフェローとドイツの研究者らは今後相互に相手を訪問して、新たな体験と議論を重ねる計画です。

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