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活動報告

基幹プログラム群

【L-INSIGHTキャリアプログラム】“若手研究者がデータで解析する人間と個性——遺伝、教育、AI、脳、研究の社会的評価”を開催しました(2024年1月16日)

2024年1月16日、L-INSIGHTでは京都大学白眉センターと大学院教育支援機構との連携のもと、第3回L-INSIGHTキャリアプログラム「若手研究者がデータで解析する人間と個性——遺伝、教育、AI、脳、研究の社会的評価」を開催しました。京都大学をはじめ近隣の大学に通う大学院生や若手研究者など70名以上が京都大学百周年時計台国際ホールに足を運び、活発な議論を行いました。また、オンラインでは海外12機関、企業6機関を含む68機関からの参加がありました。

※以下、発表者肩書きはイベント当時のものです

開会にあたり、時任宣博研究担当副学長理事より歓迎の挨拶がありました。続く開会メッセージとして、京都大学副学長でL-INSIGHTプログラムマネージャーである石川冬木教授が、科学哲学者Karl Popperの主張を引用しつつ、インナーサークル生成過程における科学者間の関わりの意義を伝えました。

第一部では、データを使った人間と個性に関する最新の2つの研究テーマとその課題が紹介されました。そして、これらのケースを、研究活動と社会的評価の相互作用を題材とした2つの研究成果による考察に基づき議論を進めました。

髙橋雄介 准教授(L-INSIGHTフェロー・京都大学教育学研究科)

教育や心理の効果といった目に見えない科学と、決定を必要とする法整備・政策の相互関係性にある課題と、自身による一旦の考え方の整理を紹介しました。

高木優 助教 (大阪大学生命機能研究科)

文化圏ごとに異なる受け止めがなされた自身の研究<AIによる視覚や聴覚の再構築>について、FAQを自ら積極的に公開した経験を紹介しました。

浅谷公威 特任講師 (東京大学大学院工学系研究科)

研究成果出版の分野別トレンドにおける、世界各国と日本のタイムラグを紹介しました。

David Budtz Pedersen教授(オールボー大学コミュニケーション・心理学科)

研究テーマや研究成果を個人単位ではなくグループとして捉えていくことの意義と展望を紹介しました。

グループディスカッション及び総合討論では、モデレーターに鈴木雄太 特定助教(京都大学高等研究員、JSTさきがけ研究員)を迎え、ディスカッサントとして林眞理客員准教授(京都大学大学院医学研究科 先端・国際医学講座 IFOM-KU国際共同ラボ グループリーダー)、文部科学省と厚生労働省から京都大学にご出向中の山下恭範特定准教授(京都大学経済研究所)、井上裕介特定准教授(同)が参加し、研究成果が出る前の段階における社会的評価との関わり方や活用について議論を展開しました。 また、学内公募により参集した京都大学の若手研究者6名がグループファシリテーターを務めました。

第二部のネットワーキングでは、冒頭、京都大学大学院教育支援機構長である平島崇男教授から、若手研究者の国際的かつ多様なキャリアパスへの支援について展望が述べられました。サミュエル・マシュー・ギラオ・ドゥムラオ研究員(京都大学大学院エネルギー研究科)の司会のもと、参加者は親睦を深めました。 本プログラムの全体進行は次世代研究創成ユニットの仲野安紗特定准教授が務めました。

参加者からは、「企業からの視点や、研究者とは異なる立場からの反論となる議論イベントを期待する」「研究所の運営でも、多様性を担保するために、相手の発言がどのような立場からなされているのかを汲み取った上で引き出し、議論をしていきたい」といった、次の機会についてのアイデアや気づきが聞かれました。 L-INSIGHTでは、今後も、世界で活躍しようとする国内外の若手研究者に対して、分野や国籍を超えて情報交換と議論ができる機会を提供し、応援して参ります。

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