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活動報告

その他の活動

勉強会「米国大学における競争上の課題と制度変化―米国大学のシンクタンク機能を例に―」を開催しました(2024年10月16日)

10月16日、米国から来日中のDr. Liam Schwartzを招き、仲野安紗特定准教授が「米国大学における競争上の課題と制度変化―米国大学のシンクタンク機能を例に―」と題した勉強会を開催しました。学術研究支援棟内で開催された本勉強会には、IR業務等を専門的に行う京都大学の実務者等の方々が参加しました。 Schwartz氏はハーバード大学で長年にわたり機関調査担当プロボスト補佐を務め、現在は米国コンサルタントで高等教育部門を担当しています。Schwartz氏による話題提供を中心として、終始活発な議論が交わされました。


企図概略

1990年代の英国では、競争力のある経済を持続させることを目的として、高等教育の改革が急進、2000年代には欧州各国でも国家主導の大学改革が拡大した。2010年代以降は相次ぐ地球規模の課題に直面する中で、経済振興を加速させる技術革新への大学の貢献は異論の余地のないものとなっていった。

日本の研究大学ではこれまでの大学評価に加えて、STI政策の一環として事業におけるKPIの設定が求められるようになった。分析チームを編成し、安定的な資金確保のために、年間を通じて時季を問わずその対応にあたり、その手法は多岐に渡りつつある。

一方、こうしたグローバルな知識経済の先導者たる米国の“ベンチマーク大学“は、何を課題として特定し、組織運営上の実践として継続しているのか。資金調達にあたり、不断の危機感を持って分析を継続し、戦略と改革を実現させようとする実態が見えてきた。

講演趣旨(Dr. Liam Schwartzによる原文から概要をまとめたもの)

大学が組織を形成していることの、最も価値ある特徴のひとつは、研究者が研究に専念できる安定した環境を組織的に提供できることである。しかし、社会的圧力や内部からの要求など、大学がその使命を果たすために改革を必要とする場合がある。 本講演では、米国大学が特定分野に重要な投資を行うに至った競争上の課題がいかに炙り出されたのか、そして、分析と戦略を通じて、その投資が重要であるという認識にいかに至ったのか検証する。さらに、組織を形成する大学の研究力およびその活用による国際的な競争力への貢献の実態に言及する。