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活動報告

実践プログラム群

第3回HeKKSaGOn x L-INSIGHTプログラム「Dialogues for Future Research and Science with Early Career Researchers」を開催しました(2024年11月28-29日)

L-INSIGHTは2024年11月28日~29日、ハイデルベルク大学にて第3回HeKKSaGOn x L-INSIGHTプログラム「Dialogues for Future Research and Science with Early Career Researchers」を開催し、L-INSIGHTフェロー5名が参加しました。

このフォーラムは、異文化間の学際的な活動により相乗効果を発揮し得る研究テーマを探索し、これを通じて研究者コミュニティを醸成するL-INSIGHT独自の取り組みです。4年目を迎えた本取り組みは、今回初めて対面で実施されました。

対話のテーマは、フェロー3組がフォーラムに先立ってワークショップを通じて立てたもので、「The Universe and Biological Interface: A Quest for Our Origins and Evolution」(桂有加子藤井悠里グループ)、「Emerging Contaminants and Acceptable Health Risks in Water」(後神利志安井碧グループ)、「Integration of emerging technologies into a sustainable human society」(林和希福元健之グループ)です。各対話グループは、京都大学(L-INSIGHTフェロー)とHeKKSaGOnを構成するハイデルベルク大学、カールスルーエ工科大学、ゲッティンゲン大学のドイツ3機関に所属する研究者により構成されています。
※プログラム等詳細:https://www.l-insight.kyoto-u.ac.jp/event/hekksagon_20241129/

初日の11月28日には、ドイツ最古の大学であるハイデルベルク大学が誇るアルテ・アウラを擁するセネイト・サルにてレセプションを行いました。長年ハイデルベルク大学の国際交流を牽引してきたニコル・ドルン氏から、いかなる世界情勢にあっても学術には国境を越える力があるとの激励の言葉が送られ、これに対して仲野安紗特定准教授はこれまでの友情への謝意を示しました。

翌11月29日、フォーラムの冒頭で、ハイデルベルク大学のカリン・シューマッハ副学長(持続可能な開発担当)から本機会への期待が述べられました。シューマッハ副学長は、アルテ・アウラが持つ2つのバルコニーの対峙構造が象徴する、異なる視点間でのオープンな対話の重要性を述べた上で、持続可能で公平な未来を築くためには、学際的な取り組みが不可欠であると話しました。続いて、京都大学の石川冬木副学長は、科学が議論によって発展してきたことと、京都大学が今後も国際的な学術コミュニティと積極的に関わり、視野を広げようとする若い優秀な研究者を支援することを約束しました。

第一部では、3グループを代表するフェローがテーマの趣旨を発表し、対話グループに分かれて議論を行いました。日独の異なる分野の視点から、テーマに対する建設的な批判および貢献の可能性について話し合われ、続く第二部において、その成果を各グループが紹介しました。いずれのグループも、学際テーマに関係する具体的な専門領域を明示し、対象範囲を精査することで、議論への新たな参加者を募る端緒につきました。

議論の講評は、日独2名の研究者からいただきました。京都大学高等研究院アイセムスの鈴木淳教授は、それぞれの専門分野の価値観と重要性を伝えることの難しさを積極的に経験することの意義を述べました。議論で得られる洞察と、友情の継続は科学の進歩に必ず繋がると話しました。前ハイデルベルク大学学長のアイテル・ベルハルド教授は、困難な目標への達成を目指す若手研究者への期待として、「私たちに必要なものは何か、必要でないものは何か」を自問し、包括的なアプローチについての意識を常に刷新すべきであると話しました。

最後に、本機会の開催準備に多大なご尽力をいただいた、京都大学欧州拠点神野智世子氏をはじめ、HeKKSaGOnドイツ3大学の担当者の皆様に改めて感謝申し上げます。また、この度、科学的議論に積極的に関わる姿勢を体現する若手研究者としてご同行くださった鈴木教授に感謝申し上げます。

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